人は思い込みや、無意識のうちに、つい行動してしまうことがありますが、その行動の裏には、何らかの法則や原理が潜んでいるものです。そうした法則を知っていれば、ビジネスやマーケティングに活かすことが可能です。
マーケティングでは、顧客心理を読み解くことがもっとも大切なポイントの一つです。
そこで今回は、マーケティングで役に立つ行動心理を挙げてみました。
バンドワゴン効果とは、多数に人気のあるもの、支持されているものに心が引かれてしまう効果です。
ある商品・サービスに対して、大勢の人が支持すればするほど、「きっと良いものに違いない」という心理が働いてしまうこと。
「大流行」「大人気」という言葉を含むキャッチコピーを付けられた商品やサービスは不思議とよいものに見えてしまう現象です。
スノッブ効果とは、バンドワゴン効果と反対に「希少性」に惹かれる心理効果で、誰も持っていない物に対して価値を感じるというものです。
多くの人々が持っている物には希少価値がないため、自分は他の人と差別化したいという欲求が生まれるいう心理的現象です。
「残りわずか」や「数量限定」といったセールスコピーは、スノッブ効果を利用した手法です。
アンカリング効果とは、最初に見た数字や情報が強く印象に残り、それを基準に意思決定や判断をしてしまう心理的現象のことです。
例えば、最初に「通常価格1万円」という価格を見たあとに「値下げ価格7千円」と書いてあれば消費者は安いと感じます。メーカー小売希望価格を記載して、それよりも安い価格を示すのもアンカリング効果を狙ったものです。
ただし、不当な「通常価格」と販売価格を比較して同時掲載するなどの手法は二重価格表示と呼ばれ、景品表示法に反しますので要注意です。
返報性の法則とは、人は何かを受け取ったときに、何かしらのお返しをしなければいけないと思う心理的現象です。
人から好意を示されると、好意で返したくなります。
この法則を利用したものが試食販売です。また、サンプルの配布も「お返し」の気持ちを引き出します。
ウィンザー効果とは、直接的な伝達よりも第三者からの情報の方が信憑性を持つという心理的現象です。
ある商品やサービスについて、その販売者から発信される情報よりも、第三者から間接的に伝わる情報のほうが、信頼性が高くなるという心理現象です。
ユーザーレビューや口コミを基に、商品選択が行わていることがこれに当たります。
カクテルパーティ効果とは、カクテルパーティーなど様々な雑音や会話の中で、自分の名前を呼ばれたり、興味がある話題が上がるとそこだけ際立って聞こえてくる心理的現象です。
自分が興味や関心のある情報のみを選んで、他の情報はシャットアウトするという脳のはたらきから起きる現象です。
コンテンツの中で、誰に向けたものなのかを明確にするフレーズを含ませたり、「あなた」と呼びかけ型にするというのも、カクテルパーティ効果を利用した有効な手法です。
ディドロ効果とは、一つのものを手に入れたときに、そのものと同じ特徴やデザインで統一したいと思う心理的現象です。
商品がシリーズ化られていて、最初に格安で一つ目の商品を買うと、次に揃えたいという心理が働いて、シリーズ全部を購入していまう現象です。
セット商品の販売や定番商品のシリーズ化など、マーケティングの現場で活用されています。
権威への服従原理とは、人間は権威や肩書に弱く、権威のある者の言動には無意識に従ってしまうという原理です。
専門家として紹介された人物のアドバイスであれば、ほとんどの人は無条件にその内容を信頼し受け入れます。
優れた製品に与えられる「○○賞」や、レストランなどに与えられる星の数などにも、無意識に権威への服従原理が働きます。
カリギュラ効果とは、禁止されるとかえって禁止された行為をしたくなってしまう心理的な現象です。
カリギュラ効果は、広告宣伝でよく使われています。「心臓が弱い方は絶対に見ないでください」と宣伝されるホラー映画や「〇〇な人以外使わないでください」といった商品のキャッチコピーなどがそれです。
雑誌で見かける「袋とじ」も、カリギュラ効果の活用です。その袋とじが気になって、つい見たさで買ってしまいませんか。